ZOKEI賞選抜作品展

彫刻専攻領域

CHOI DO HYUN

《二十五、二十一》

2021年

最初は迷い、中を探すよう悩んで結局外へ出回ったりするが、動きはまもなく波紋を起こし、波紋は小さな渦になり、その渦がもっと大きい渦を作り出して、まるで何かに気づいたよう迷いのない一つの流れになって最後は自由に流れ出る。 研究テーマである生命感をさぐる、考察後私は生命、人間と自然その存在意義、私たちはなぜ生まれまた死ぬかという疑問の中ʼ私たちは次につなげるためいきるʼと結論づけた。ある人は言う、生命は、命は何とも比べられないぐらい貴重であり、価値高いものだと。しかし命に価値はない。価値があるとしたらその命をつないでくれたいろんなことにあるだろう。生命とは大きな流れであって私の生がその一部だとすると自分は今こういう形の流れをしているだろうと思い、作った作品である。

教員評価

教授

井田 勝己

彼にとっては、初めてのビアンコカラーラというイタリア産の大理石作品である。素材感を活かした新鮮な作品である。形式的には彫刻の中の石彫によるレリーフである。

左から右への大らかな動きは、とても魅力的であり素材の大理石の良さを遺憾なく導き出し、独自の表現へつなげたことは評価に値する。ややもするとレリーフという表現形式は、一定の型にはまりやすい表現に進みやすいが、そのような難点を小気味よく乗り越え独特な表現になった。又、幅が2m以上、高さ1m70cm近く、奥行0.4mほどある大作であり、その大きさが作品の精神的スケール感と響きあっている点も見逃してはならない魅力となっている。