ZOKEI賞選抜作品展

インダストリアルデザイン専攻領域

KIM SUNGWOOK

《Touch type (指先で読める図形の研究)》

2021年

「視覚障害者は点字ができるだろう」という認識により、視覚障害者のための情報は点字を中心に提供されているので、点字ができない障害者が必要な情報を得られない場合があります。また、点字を習得しても得られる情報は限られています。

特に、現在の点字の表記では缶入り飲料の種類が判別しにくい問題があります。そのため、独自でデザインした指先で読み取りやすい立体のフォントを缶のフタに表記して商品名、味などが判別できるようにしました。

教員評価

教授

中林 鉄太郎

視覚が不自由な方々の「見え方」は一様ではない。点字を認識できるか否かについてのスキルも個人差があり、年齢と共に指先の触覚が衰えてくることから習得の難易度も指摘されている。そのような環境の中で生活をする方々の「缶入り飲料の種類が判別しにくい」という日常的な問題に焦点を当て、デザインによる解決策を探索した研究である。綿密なリサーチと、解決策として選ばれた「商品名のイニシャル記号」による展開例を、指先で読み取りやすい立体文字の独自フォントやサイズの検討から、簡易プレスを用いたアルミ缶への試作検討へと積み重ねてデザイン提案として着地できたことが高く評価された。