Stelarc_Talk@Tokyo Zokei Univ.2017.09.13
学習参考情報 授業関連 沖啓介 粟野由美

「身体は廃れている 」-ステラーク氏講演会(ZOKEI講座)

演題:「身体は廃れている ー創造・身体・テクノロジー」

講演:ステラーク氏

日時:9月13日水曜日 17:00開始(~19:00頃終了予定)

場所:東京造形大学CS-Lab

日英通訳・司会 沖啓介

Stelarc_Talk@Tokyo Zokei Univ.2017.09.13
Stelarc_Talk@Tokyo Zokei Univ.2017.09.13

 

 

 

 

 

 

stelarc_works@Tokyo Zokei Univ,2017.09.13
stelarc_works@Tokyo Zokei Univ,2017.09.13

1970 年代から「自らの身体」をメディアとするパフォーマンスや作品を通じて、自己とその身体 との関係を考察してきたステラーク氏は、その問いの哲学と衝撃的な表現により波紋を投げかけてきたアーティストです。

ステラー ク氏を本学に招聘して直接の対話の機会を持てることは、デザインや美術の専門性の枠を越えて本学すべての学生たちの見識を広げ、深める、またとない機会であると確信します。

(企画・推薦文:粟野由美)

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「Stelarc Talk」

Stelarc(ステラーク)は、ロボティクスやバイオテクノロジーを駆使して自分の身体を使った表現で世界的にとても有名なアーティストです。
「身体は廃れている」(The body is obsolete.)と主張し、テクノロジーを使って身体機能を刷新していくことをテーマにして、すでに1970年代から作品を作り続けている、現在のテクノロジーを使ったアートのまさにパイオニアです。

1970年代にはロボット技術を使って、自分の手以外の筋肉信号で操作する「第三の手」THIRD HANDを発表しています。われわれは二本の手を持っているが、三本目の手を身につけてそれを操作できたら、これまで以上のことができるだろう。この作品は日本で開発されたものだ。1970年の大阪万博で日本の技術力、特に日本ロボット技術に注目し、日本に滞在して制作した。

このようなコンセプトで開始した作品シリーズでは、他にも「拡張した腕」EXTENDED ARM、「バーチャルアーム」VIRTUAL ARM、「ストマック彫刻」STOMACH SCULPTURE、「外骨格」EXOSKELETON、六足歩行ロボット6-legged walking robotなどの、身体と機械をテーマにしたものがあります。
また身体やロボティクスやインターネットを組み合わせて使ったパフォーマンスでは、FRACTAL FLESH、PING BODY、PARASITEなどで、世界各地の参加者が、筋肉への刺激信号をインターネット経由で送って彼の身体を操作できるようにしたものがあります。
これらの機械を使ったパフォーマンスに先駆けて、1976年から1988年まで、自分の皮膚を針で吊るすサスペンションのパフォーマンスを26回行なっている。これは地球上の重力内にある環境で進化してきた身体が、そこを離れる際の痛みをシンボリックに表現しているものである。
最近のセンセーショナルなエレクトロ・バイオ的なアプローチの作品は、彼の左手にある「エクストラな耳」(EXTRA EAR)で、外科手術で腕に作った耳は、従来の二つの耳にエクストラな耳を加えて機能させることを追求するプロジェクトです。

今回の東京造形大学でのトークは、彼のこれまでの作品シリーズを解説していただくと同時に、現在進行しているプロジェクトについても語ってもらう貴重な機会となります。

(紹介文:沖啓介 本学特任教授)
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