本展について

本展はいわゆる一般的な“作家教員・実務家教員による回顧展的な作品展”ではなく、 1988年から35年間に渡り大学教員を務めた一人の教員の教育と研究そして社会的活 動の事績(のようなもの)を総括し、また後日記録に留めることに資するため「展示」 という形式を採るものです。
 35年の間には入職時のビジュアルコミュニケーションデザインの領域(当時の呼称では「視覚伝達計画」) から2003年の「アニメーション専攻領域」の新設以降、およそ10年間のグラフィックデザインの領域の 兼任を経て最終的にはアニメーションの領域専従となり、また1992年の学芸員課程設置以降20年ほどの 間は同課程の科目を担当し、総合科目/学部共通科目も四半世紀に渡り担当しました。入職後の研究活動 は主にアニメーション研究にあり、研究の傍ら「日本映像学会アニメーション研究会(第二次)」と 「日本アニメーション学会」の創設・運営に関わるほか、 「インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)」の創設・運営に関わるなど、 社会的活動の多くはアニメーションの領域にありますが、常に領域を超えることや横断・縦断、 境界領域を意識した活動を行ってきました。その意味で本展を「教育×研究×社会」ではなく 「教育×研究×境界」とし、一方で教育や研究、学会や映画祭、国際交流などの社会的活動の中心 がアニメーションにあるため、サブタイトルを「アニメーション活動とその周辺」とし、様々な 活動のうち、主にアニメーションに関わる部分にスポットを当てています。
 本展の中心的な展示は「クロニクル展示」と「トピック展示」に分けられ、「クロニクル展示」 では学生時代やそれ以前を含む原則として年代順・時代順に、網羅的・概略的に軌跡をたどることになります。 形式的にはパネル展示を基本とし、内容的には比較的テキストや写真・各種図版、一部は動画映像などの 情報展示が多くなります。
 「トピック展示」では事績のうち、比較的興味深いと思われるもの、資料性・資料価値として一般性の高いもの、 展示になじむもの(言い換えると博物館学や展示論でよく言われる“モノによって語らしめる”ことができるもの) を中心に展示スペースの許す限り、できるだけ多くのモノを展示すること目指しています。そして会場には上映スクリーンを設け、 資料映像の上映や「クロニクル展示」、「トピック展示」に収めきれなかった資料や情報の投影を行います。 これらは小出正志に関わるものですが、加えて「オマージュ展示」として小出の東京造形大学における恩師で ある神田昭夫先生(1935-2003/グラフィックデザイナー/東京造形大学・長岡造形大学教授など歴任) と波多野哲朗先生(1936-2020/映画・映像評論家/日本映像学会会長、日本大学大学院教授など歴任、 東京造形大学名誉教授)、東京造形大学教員時代の盟友である片山雅博先生(1955-2011/アニメーション作家、 イラストレーター/多摩美術大学教授、日本アニメーション協会事務局長など歴任)と先生(美術家/韓国・サンミョン大学校教授、 韓国漫画・アニメーション学会(KoSCAS)会長、ソウル国際漫画アニメーションフェスティバル(SICAF) 執行委員長など歴任)に関わる著作・作品や資料を展示します。
 また本展の関連イベントとして、①小出正志による展覧会の解説/解題となる「ギャラリートーク」、 ②小出正志とゲストによる特定のテーマを設けた「開催記念対談」、③小出正志と複数のパネリストによる特定のテーマを設けた 「開催記念シンポジウム」、④小出正志担当授業の会場実施による公開授業、⑤参考作品上映を行います。

小出正志 2022.9.11

イベントカレンダー

事前申込不要・参加費無料
感染症拡大の状況により開催日時や内容を変更する
場合がございます。
最新の情報は当館ホームページをご確認ください。

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出正志によるギャラリートーク

①11月28日(月)「本展について―その構成と方法」
②12月5日(月)「本展について―その時代」
③12月16日(金)「本展について―そのテーマ」
時間:15:10-16:30
会場:ZOKEIギャラリー
各回定員:30名

公開授業
開授業I「小出正志ゼミナールII」
展示テーマに基づく学生との
ディスカッションほか

①11月29日(火) ②12月6日(火) ③12月13日(火)
担当:小出正志
時間:13:20〜16:30
会場:ZOKEIギャラリー
各回定員:30名

公開授業
公開授業II
「プロジェクト科目BII-1
(歴史とアニメーション)」
「『歴
史とアニメーション』開講四半世紀を
経て―
一般教育/総合教育あるいは
歴史教育としての
アニメーション」

日時:12月1日(木)
時間:13:20〜16:50
担当:越村勲(歴史学者、東京造形大学名誉教授)
   小出正志
会場:東京造形大学4号館4B教室
定員:80名

退職記念展開催記念 対談

①12月9日(金)
「教育としてのアニメーション―アニメーション教育
の現在」
登壇者:昼間行雄(文化学園大学教授、東京造形大学校友会
     副会長、

     日本アニメーション学会教育研究部会主査
    小出正志

②12月12日(月)
「前衛としてのアニメーション―実験アニメーション
の現在」
登壇者:西村智弘(映像評論家・美術評論家、東京造形大学・
     多摩美術大学他非常勤講師)

    小出正志

時間:15:10-16:50
会場:レクチャールーム(東京造形大学12号館201教室)
各回定員:60名

退職記念展開催記念 シンポジウム

①12月10日(土)
「あるいはとしてのアニメーション― ドキュメンタ
リーとアニメーションの現在」
登壇者:ニコラス・グアリン・レオン (映像作家、ア
     ニメーション研究者)

    長尾真紀子 (アニメーション制作/普及/研究、
     ASIFA-JAPAN事務局長)

    越村勲(歴史学者、東京造形大学名誉教授)
    小出正志

②12月17日(土)
「資料としてのアニメーション―アニメーション・ア
ーカイブの現在」
登壇者:キム・ジュニアン(新潟大学准教授、 日本アニメ
     ーション学会副会長兼研
     究・教育委員長)

    アレクサンダー・ザルテン(ハーバード大学准
     教授)

    小出正志

時間:13:20-16:50
会場:レクチャールーム(東京造形大学12号館201教室)
各回定員:60名

考作品上映

①11月28日(月)
「アニメーション・コンサート」

②12月5日(月)
「波多野哲朗先生プロデュース作品上映:『ロングラン』
と高尾時代の東京造形大学」

③12月9日(金)
「教育とアニメーション」

④12月12日(月)
「前衛としてのアニメーション」

⑤12月16日(金)
「神田昭夫先生の愛したアニメーションと現代音楽:色
と光のオード―アニメーションと聞く『トゥランガリラ
交響曲』」

解説:小出正志
各回時間:13:30-14:30
会場:レクチャールーム(東京造形大学12号館201教室)
各回定員:60名

アクセス

会場:東京造形大学 ZOKEIギャラリー

〈東京造形大学12号館1階〉

〒192-0992 東京都八王子市宇津貫1556
TEL:042-637-8111

大学公式ホームページ

交通アクセス:JR横浜線相原駅よりスクールバス5分・徒歩15分
※当館には専用駐車場がありませんので、
公共交通機関をご利用ください。

①JR横浜線相原駅の改札を出て右に進みます。
②階段を下って左側に出ると、左の方に東京造形大学の
看板が見えます。
そこがバスのりばの入口です。

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ご来場の際は当館ホームページをご確認ください。